
京急上大岡駅にほど近い、久良岐公園内に保存されている、かつての横浜市電。
野ざらしの割に、ずいぶんと保存状態が良いので、調べてみた。
市電廃止直後から保存展示されていたものの、ひどく荒れ果て、解体処分される寸前で有志が集い蘇らせたという。
今でこそワンマン運転は当たり前だが、かつては路面バスや路面電車にも車掌が乗務していた。
切符の販売、改札、停留所のアナウンス。
発車オーライの合図がチンチンというベルの音。
目にした瞬間、五感すべてに記憶が蘇ってくる。
タイムスリップしたなら、乗り降りすべてに当時と寸分違わぬ動きができるだろう。
この市電が現役の頃は横浜市民ではなかったが、いわゆるチンチン電車は日常の足だった。
車に邪魔をされて警笛を鳴らし、ノロノロ走るイメージが強いが、ひとたび専用軌道を走る時、野生に戻ったかのように疾走する。
唸りをあげるモーター。
左右に激しく揺れる車体。
開け放たれた窓から吹き込む風の音。
遊園地以外で子供が楽しむ乗り物としては充分な存在だった。

横浜市電1156号来歴
1952年製造(保存会HPでは1953年)
1972年横浜市電全廃
1973年久良岐公園にて静態保存開始
2010年修復運動開始
2012年修復運動完了
2014年車両周辺整備
車両製造:ナニワ工機